関節リウマチは、体の免疫機能が過剰に働くことで関節に炎症や破壊をもたらす自己免疫疾患です。その炎症の中心にあるのが、「TNF-α(腫瘍壊死因子)」と「IL-6(インターロイキン6)」という炎症性サイトカインです。
TNF-αは免疫細胞を活性化し、感染症に対する防御に役立ちますが、過剰に産生されると関節の炎症や破壊の原因となります。
IL-6は炎症反応の調節や急性期タンパク質の産生に関与し、関節破壊を進める原因になります。
これらのサイトカインを抑えるために、TNF阻害薬やIL-6阻害薬といった生物学的製剤が治療に使われています。これらの薬は、関節の腫れや痛みを和らげるだけでなく、関節破壊の進行を防ぎ、病気の進行を抑える上でも重要な役割を果たしています。
関節リウマチの治療において、こうした標的治療は非常に効果的であり、早期からの適切な使用が、長期的な関節機能の維持に繋がります。
日本リウマチ学会専門医 服部陽介