関節リウマチ(RA)の治療は、疾患活動性を早期に抑制し、関節破壊や機能障害を防ぐことが重要です。日本リウマチ学会の「関節リウマチ診療ガイドライン2024」では、治療の基本方針として“treat to target(T2T)”の概念を採用し、寛解または低疾患活動性を目標に治療を段階的に進めることが推奨されています。
薬物療法の第一選択はメトトレキサート(MTX)であり、効果不十分な場合には、他の従来型DMARDの併用や、生物学的製剤・JAK阻害薬の導入を検討します。治療反応性、副作用、感染リスク、費用負担などを総合的に判断し、適切な治療を選択することが求められます。
また、定期的な疾患活動性の評価に基づき、治療強度を適切に調整することが重要です。
当院では、ガイドラインに沿った標準的治療を基本としつつ、患者さんの生活背景や価値観を尊重し、SDM(共同意思決定)の考え方を取り入れながら、最適な治療方針を共に検討しています。
日本リウマチ学会専門医 服部陽介