骨粗鬆症の治療に使われるビスホスホネート製剤やデノスマブなどは、骨折予防に高い効果を示しますが、ごくまれに顎骨壊死（あごの骨の一部が壊死する病態）が報告されています。
この副作用に関しては、医療機関や学会が発表しているポジショニングペーパー（見解文書）において、正しい情報に基づいた適切な対応が強調されています。
現時点での見解では、これらの薬剤による顎骨壊死の発生は非常にまれであり、骨折による健康被害と比べると薬の利点が上回るとされています。そのため、必要な治療を過度に控えることなく、歯科治療との連携や口腔ケアをしっかり行うことが推奨されています。
当院でも、骨粗鬆症治療中の患者様には、口腔の状態や治療歴に応じて、医科・歯科連携のもと安全な治療を進めてまいります。不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
日本リウマチ学会専門医 服部陽介